東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
朝ドラに見た旧漢字「處」
こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。
新年明けましておめでとうございます。今年になり初のブログになります。
遅ればせながらのご挨拶になりました。本年もよろしくお願い致します。
NHK連続テレビ小説『おちょやん』をカミさんと見ていて、「この看板の字が読めない。」と言いました。私は何の抵抗もなく自然に読めてしまいました。
杉崎 花の演じるヒロイン、竹井千代が口入屋に、職を捜しに入る場面でした。大正時代の看板だから右から左に読んで「口入處」(處は処の旧字)です。昭和ならば、職業安定所、現在はハローワーク、ということになります。楷書でなく草書風なので、なおのこと判読しにくかったと思います。カミさんも私と一緒に、はんこ屋勤めは長いので、たいていの姓の旧漢字は読めます。
私はこの文字の旧漢字は、20代の頃はんこ屋の技術講習会に通っていて、作品課題の中に「處」の文字がありました。書体は篆書(てんしょ)だったので、初めは全く判読できませんでした。篆書から入り、楷書の文字も習いました。
大正時代の場面の文字がすぐに読めてしまった自分、我ながら「古い人間だなあ。」と変に感心してしまいました(笑い) 右から左に読む店名は、現在では羊羹の老舗、とらや さんの暖簾に見ることができます。やらと、とうっかり読んでしまいますね。