東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
書体の変遷
前回のブログで『草書の印鑑』を書いたので、草書からさらに遡(さかのぼ)る書体、そして派生してきた書体について書いてみたいと思います。
大まかな流れですが、甲骨文が古代にあり、その後に篆書(てんしょ、大篆と小篆)、篆書を速く書こうとして生まれたのが隷書、隷書を早書きしているうちに考えられたのが、章草(しょうそう)です。章草から、草書と楷書が派生しました。私は印判店(はんこ屋)の家に育ちながら、小学生の低学年の内は、書体と言えば、楷書、行書、草書、しか知らず、楷書を崩して行書、さらに崩して草書、という順番でできたものと、勘違いをしていました。
下記の表(古代から現代へ)の書体変遷からもわかるように、行書は草書、楷書の後を受けてそれから生まれてきた書体です。印鑑に入れる書体は、まず、判読できるか、できないか? が大きなポイントになります。接客時にはお客様のお好み、使用用途などを伺いながら、私から書体提案をしております。