東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

印稿(仕上がりデザイン)2種をご希望のお客様

2024年11月09日

印鑑 八王子 楽善堂

──── 八王子で印鑑を作り続けて124年 ────

 こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

 ここへ来て急に寒くなりました。一気に冬に突入したようです。一昨日の7日(木)は立冬でした。
先日、ご来店のお客様で、印稿(仕上がりのデザイン)を2種類ご覧になりたい、という方がいらっしゃいました。フルネームの実印で、小篆(しょうてん)と吉相体(きちそうたい)の2種類です。

 当店の場合、印稿は1種類は彫刻料金の中に含まれて無料ですが2種類以上の場合は、認印(姓のみか下のお名前の場合)は、3,300円、フルネームの場合は5,500円の別途費用が掛かります。
すぐに「かしこまりました。」でなく、お客様には「1作品目で小篆を書きますので、これをご覧になって、どうもしっくり来ない、なじめない、という場合に吉相体の印稿をご注文でいかがでしょうか?」とお伝えしました。はじめから必要以上のご出費をお客様に出していただくのはいかがなものか?の気持ちが私にはありました。


 メールの添付で小篆の印稿を送りました。結果、お客様からは「費用が別途かかってもよいから、吉相体の印稿も見てみたい。」と返信をいただきました。同じお名前で吉相体を書いて送信したら、「線が太いので、もう少し細くしてから彫って下さい。」というご希望をでした。小篆は特に縦画は細くなり、鋭さを表現できますが吉相体を見慣れていると、全体的に細く見えて充実感、堂々とした感覚を持てないのかもしれません。お客様のお気に入りの書体、作風(文字の線質の太い、細い)までたどり着けて、実印を彫らせていただくことができました。
 下記の書体以外にも多くの書体があります。https://inkan-reform.com/service/font/

▲この書体は小篆(しょうてん)です。横画の強さ、縦画の鋭さを
特徴としています。流れるような線質です。当店、楽善堂のお薦め、推しの書体です。縦長に書くと形がよいので、縦書きでなく、斜め書き、または横書き(右から左に配置)でお受けしています。




▲この書体は吉相体(きちそうたい)です。
篆書の文字を全体的に太くして文字を外枠、隣の文字に接するように書きます。縁起担ぎを好む方は、来店後にすぐにこの書体のご希望をおっしゃいます。

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