東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

1辺、60ミリの角印(正方形のはんこ)を受注

2026年07月03日

印鑑 八王子 楽善堂

──── 八王子で印鑑を作り続けて124年 ────

 こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

 1部上場企業のお得意様から60ミリの正方形はんこのご注文をいただきました。しかも数は3個ありました。同じ社名の文字を彫りましたが、書体が篆書(てんしょ)なので部分的に文字の種類を変えました。楷書は学校の書き取り問題にもあるように1つの種類しかありませんが、篆書だと同じ漢字でも数種、違った文字があります。

 通常、角印は1辺21ミリまたは24ミリが多く発注される寸法です。大きくても30ミリ(一寸)どまりです。今回の60ミリ角というのは、私がはんこ屋の仕事を始めてから見習い修行の時も含めて初めてでした。めったにないご注文、ということになります。数件の問屋に聞きましたが、やはり在庫では置いてありませんでした。メーカーに作ってもらい1週間内で仕上がって来ると言われました。印材の価格表にも金額はなく見積もりをもらいました。

 さすがに全てを手彫りするのは厳しくて、製作工程で荒彫り(あらぼり)の部分は彫刻機の機械に任せました。荒彫りのあと、仕上げの作業があり、これは私が手を加えました。❝職人冥利❞という言葉がありますが、まさにこの冥利を感じることができた仕事でした。仕事を出してくれたお客さまに感謝です。


 

▲つげ材の60ミリ角印です。木目も綺麗です。
▲彫る印材を止める工具は巻き竹(まきたけ)を使いますが、今回は大き過ぎて巻き竹で止められず、巻き革(黒い細長い革)だけを60ミリ角印に巻きました。印材の右側は印刀(いんとう)、左の日本手拭いで巻いてあるのは棒台(ぼうだい、彫る印材を置くための台)です。見た目から坊主、とも言います。

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