東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
はんこ不要論 について
こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。
河野太郎 行革相の発言「無駄なハンコ廃止を」から始まり、はんこ不要論が新聞テレビで取りざたされています。はんこ屋の四代目、店主として私なりの見解を皆さんにお伝え致します。
★はんこ にも種類がある。一塊(ひとかたまり)に考えて全て『はんこ』不要と考えないで欲しい。
個人のはんこだけでも
1.実印 2.銀行印 3.仕事印 と使い道によって3種類あります。
河野大臣の言いたいのは、3.仕事印(の押捺)を廃止したい ということと考えます。
霞が関の国の文書では、A4サイズの書類にハンコの押捺箇所が20ヶ所あると、テレビで見ました。20人の決済が必要な文書もあるのでしょう。公的な機関、民間を問わず、押捺のために出社をしなければならない、これは効率も悪いし新型コロナウイルス感染の防止のためにも、自宅で決済(文書の内容を認める)ができた方がよい、と私も思います。
1.実印 に関しては大切な契約(不動産の購入、自動車の購入など)には、印鑑証明書の添付が求められます。まず、ご本人自身の実印を作成して、印鑑登録をしておけば、印鑑証明書を添付することが可能です。契約書に『はんこを捺す』ということは、『確かな意思表示をする。』ということを示します。「それならば、自分の名前を手書きで書けば(署名)いいじゃないか。」という議論も出てきます。日本が他の国々の文化、慣習と横並びになればよい、という考えならばこれも一理はあります。
日本でのはんこの歴史は古く、文武天皇の大宝元年(西暦701年)に、大宝令・公式令が制定されて内印・外印・諸司印・諸国印の4種が定められました。以来、綿々と続いてきた『重要な文書にはんこを捺す』という文化は、守っていきたい、が私の持論です。
2.銀行印についてですが、昭和の40年代くらいまでは預金引き出しには必ず、署名、捺印をして窓口に出していました。ATMにキャッシュカードを入れて暗証番号の入力で預金の引き出しが可能になり、はんこの押捺は不要になりました。口座の開設時には銀行印が必要ですが、現在は銀行さんによっては、「開設時の印鑑は不要」というところもあります。銀行印の存続は、銀行さんに任せていくのがよいと私は考えています。マネーロンダリングのために、あらたな架空名義の口座を開設、など犯罪が起こらぬように銀行さんは今後を考えていくと思われます。
はんこ屋の店主として、そして日本の文化を守りたい人間の一人として『重要な場面で意思表示としてのはんこを捺す』ことは続いて行って欲しいと切に願っております。
当店、楽善堂では、“はんこ無料相談”を行なっています。店頭でも、メールでも対応しておりますので、お気軽にお問合せ下さい。