東京 八王子 印鑑文字工房 楽善堂の店長が印鑑や文字の魅力を語る
印鑑の楽善堂 四代目店長 平澤 東のブログ

鞘付(さやつき)印鑑用ケース

2024年03月16日

印鑑 八王子 楽善堂

──── 八王子で印鑑を作り続けて124年 ────

 こんにちは。東京、八王子で印鑑を作っている職商人(しょくあきんど)の平澤 東(とう)です。

 大阪府のお客様から印鑑ケースの外側を張り替えて欲しい、というご依頼をいただきました。電話でお話を聞いてみると、今まで使って来られた印鑑ケースの外側部分が剥(は)がれてきたので、ということでした。数軒、近くのはんこ屋さんを回ったけれど、張替はできない、と言われたそうです。

 実際、当店でも印鑑ケースの中側の布を張り替えたことはありましたが、外側の革部分のお話は初めてでした。当店でも難しいので、新品のケースをご提案しました。お客様のご希望は鞘付(さやつき)印鑑用のケースでした。鞘付とは、キャップが印鑑に付いているものです。当店では新品でも2,300円(税込)です。仮に外側の革のみの交換をやるメーカーがあったとしても、この価格では無理と思いました。

 不思議なのは、お客様が出掛けていったはんこ屋さんで、新規の鞘付印鑑ケースの提案がなぜできなかったのかな?です。 ひょっとすると、鞘付印鑑用のケースが在庫で置いてなかったのかもしれません。昭和の時代には、鞘付の印鑑はよくでましたが、ここ10年くらいは鞘付は希少になりました。象牙の高級印鑑で、鞘付は見かけるかもしれません。ただ、印鑑とセットでなくケースだけは、はんこ屋としても対応しにくいかと思います。お客様のご注文は直径12ミリ用のケースでしたが、いい機会なので、直径15ミリ用の鞘付用ケースも、問屋から取り寄せました。

▲上が鞘付(さやつき)の印材(黒水牛)、下は鞘無し(通常)の印材(黒水牛)です。
▲印鑑の形に合わせて印鑑ケースも、鞘付用と通常用とあります。
▲各ケースを閉じたところです。幅の広いケースは直径15ミリ用(2,800円)、
幅の狭い方は直径12ミリ用(2,300円)です。

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